心配された台風12号は29日午前1時ころに三重県伊勢市付近に上陸。台風一過の晴れが期待されたが、8時半から行われた朝のウォームアップ走行はウエットコンディションでスタートした。路面がどんどん乾き、途中でドライタイヤを装着するチームが出始め、最終的には完全なドライとなった。45分間の走行の中で、恒例となった東コースショートカットでのピットワーク作業をチームは敢行。新品のレインタイヤの皮むきと、ピット作業の最終確認を繰り返した。

WARM-UP #634 2’10.851. 6番手

ドライ路面となって終了した朝のウォームアップ走行だったが、午前11時を過ぎてまた雨が降ってきた。すぐ止んだが、台風の影響による雨で、スタートまで10分を切ったところで激しく降り出してきた。


結局、ウエット路面で11時半のスタートが切られ、上位陣はレインタイヤを装着して最初のスティントをこなす。#634のスタートライダーを務めるランディはまずまずのスタートを切り、オープニングラップを4位で通過。ところが2周目の2コーナーで転倒してしまい、ピットに戻ってくる。この転倒でランディは指を痛めてしまったことからドミニクにライダー交代し、マシンも修復。60位あたりまで順位を落としたがここからもう一度、追い上げのレースをチームはねらう。
雨は止み、路面はどんどん乾いていく。上位陣も次々とピットインし、レインタイヤからドライタイヤに交換し、コースに戻っていく。#634も12周目にピットインし、タイヤを交換。ライダー交代はせず、そのままドミニクにマシンを託してコースに戻す。16周目に2’10秒台へタイムを上げると、そのまま10秒台で連続走行。順位も上がっていく。
1時間経過時に56位だった順位は2時間後に34位、4時間後に18位まで浮上。さらに順位を上げていた午後4時20分に、スリックタイヤで水野が自身2回目のスティントを担当中、突然雨が降ってしまい、それでもプッシュしていたところデグナーで転倒。腕を痛めてしまい、リタイヤとなってしまった。

RACE #634. 123周 リタイヤ

本田重樹総監督
「今年の決勝は、例年にない厳しいコンディションとなり、それに翻弄される結果となりました。特に若い水野にとって厳しい戦いになったと思います。ベテランのランディがよもや転倒するとは思わなかったので、そこで我々の予定していたプログラムは崩壊してしまいました。でもそれも含めてレースなので、そういう形のレースになってもきちんと穫れるようにならないといけないと思います。来年に向けてまた基本的なところから見直しを図り、ぜひ来年は近くて遠くなってしまっている表彰台に上りたいと思います。応援、ありがとうございました。」

堀尾勇治チーフメカニック
「自分が全日本の中でライディングし、作り上げているバイクに、海外からライダーを招聘して戦う中で、潰れてしまうようなライダーはこのチームで走れないわけで、そういう環境の中で、水野には彼らの強さを吸収し、次に生かしてほしいと思います。やっと決勝中にリズムに乗ってきたところで転んでしまったわけですが、レースというものは、走り切って完走して自分たちの順位がそこで初めて付き、得られるものがあるわけです。そういう部分では残念な結果となってしまいました。武蔵精密工業さんも若いスタッフを新たに入れて若返りを図っています。我々チーム側も今後10年とか、継続的に戦っていけるスタッフも育てていき、武蔵精密工業さんの若い力と融合していけるようにならないといけないと感じています。応援していただいた皆さんには申し訳ないレースとなってしまいましたが、また来年に向けて明日から1年、頑張ります。」

水野 涼
「最初のスティントはなかなか思うように乗れず苦労したのですが、2回目のスティントは自分の中でいろいろトライしてみてタイムもそれまでより1秒くらい上がり、良いリズムで走ることができていたので、転倒は残念です。スリックタイヤで雨の中を走っていたのですが、#21のマイケル選手にパスされ、それくらいのスピードで走れるのかと追ったところ、転倒してしまいました。同じバイクに乗ってランディやドミニクは自分よりも速く走っているので、まだまだ自分のやるべきことがたくさんあると思いますし、良い勉強になりました。それを今年の全日本の後半戦に生かしていきたいと思います。」

ランディ・ド・プニエ
「フリープラクティス、予選ととても良いタイムで走れていたので、自信を持って決勝に臨んだのですが、あっという間に転倒してしまいました。それほど無理をしていたわけでもないですし、一瞬のことだったので何が起きたか自分でも理解できませんでした。指をケガしてしまい、走り続けることができなくなってしまったのはとても残念ですし、なによりもとても良いバイクとチームスタッフ、さらには良いチームメイトに恵まれ、レースで勝てる可能性を感じていただけに、それができずとても残念です。このチームで優勝をつかめるよう、また来年戻ってきたいと思います。」

ドミニク・エガータ
「とても難しいレースでした。この鈴鹿8耐の経験は何度もあるので、どんなコンディションになっても完走する自信はありましたが、二人のライダーに不運が重なり、レースを失ってしまったのは残念です。バイクはとても速かったし、チームは協力なバックアップを続けてくれて、とても充実したテスト、レースウイークとなりました。良いセットアップ、タイヤチョイス、ホンダのサポートと、とても素晴らしい仕事を皆がしてくれました。また来年も戻ってきたいですね。応援してくれたすべての人に感謝します。ありがとうございました。」