7月5日からスタートしたMuSASHi RT HARC-PRO. Hondaの鈴鹿8耐に向けたテストは、この5日から二日間、さらにその翌週の10日から三日間、合計五日にわたって行われてきた。1回目のテストにはドミニク・エガータ、水野 涼の二人に加え、ホンダ全体のリザーブライダーとしてライディ・ド・プニエが参加。2回目のテストには水野と、新たにパトリック・ジェイコブセンが来日し、二人で行った。
当初の予定では水野、ドミニク、パトリックの三人で決勝に臨む予定だったが、急遽パトリックはRed Bull Honda with 日本郵便に加入することとなり、MuSASHi RT HARC-PRO. Hondaには、1回目のテストに参加したランディが戻ってきてくれることになった。
7月20日にはホンダの占有走行が3時間、鈴鹿サーキットで行われ、水野、ランディ二人のライダーがこのテストに参加。午後2時半から5時間までの3時間を使い、翌週に向けたテストを行った。
前日に来日したばかりのランディは時差ぼけがあり、しかも20日は朝早いタイミングで30度を超える猛暑日。テストスタート時には路面温度が60度近くまで上がり、ハードなテストとなった。
またチーム事情としては、テストの中で使える物に数的な制限があり、そうしたことも考え合わせながらテストメニューをこなさなければならない。

テストメニューとしては、ウエットしか走っていないランディに、チームとしてこの五日間で仕上げてきたマシンに乗って確認してもらい、細かい調整を行いながらロングランまで行うこととした。その中で水野には、次のステップへ進むための新らしいセットを、限られた条件の中で新品タイヤを装着して試し、タイムを出しに行く作業も行った。

最終的にランディはフィジカルコンディション的問題からフルのロングランはできなかったものの、それでもチームサイドの予想をはるかに超えるハイペースで走行を続け、転倒もなく無事にテストは終了となった。

本田重樹監督
「今年のMuSAShi RT HARC-PRO. Hondaは紆余曲折の末、ランディがチームに返ってきてくれることになりました。彼とは7月5日、6日のウエットコンディションの中、一緒にテストをしているので、彼の性格も分かっているし、コミュニケーションは既に取れていたので、その点では順調でした。ウエットの中でランディに走ってもらったセットをベースに、ドライタイヤでどれくらいのところまで行けるかということが今日のメインメニューで、それはしっかりと確認することができました。ひどい時差ぼけでしかもこの猛暑の中、頑張ってセミロングランもしてくれて、データ的にいい内容のものを得ることができ、来週のレースウイークに向けて実のあるものとなりました。色々あって頭を痛めることもありましたが、やっとレースウイークを迎えるのが楽しみになりました。また来週も応援を宜しくお願いいたします。」

堀尾勇治チーフメカニック
「急遽ライダーが代わり、短いセッション時間の中でウエットしか乗っていないランディにどうやってドライで乗ってもらうかまず考えました。ただ、先週の三日間のテストで涼とPJで作り上げたバイクというものがあるので、ランディにそれを乗ってもらってなんて彼が言うか、そこから今日の作業を始めました。三日間のテストで作り上げたバイクはPJがかなり良いアベレージで走ってくれた実績があるので、その部分では手応えを感じていましたし、ランディは、ユーズドのタイヤでしか確認できない状況だからしっかりとした判断はできないけど、方向的には問題ないと言ってもらえて、そこでチームとしてまた一つ、前に進めた印象です。先週のテストからさらにもう一歩進みたいとトライしたことを涼に確認してもらったところ、良いタイムで走ることができて、その部分でも前進できました。最終的にその要素を盛り込んだマシンでランディにセミロングしてもらったのですが、時差ぼけで100%じゃないからと言いながら、我々の想定以上のペースで走り続けてくれて、次への課題も出てきたので、そこはレースウイークでの作業になります。武蔵精密工業さんに協力していただきながら若手育成を展開し、その中の一環として水野涼という若いライダーを育てているわけですが、そのためには今回招聘したランディやドミニクといった強くライダーが身近に必要なわけで、その中で水野が成長し、チームの柱になってほしいと思います。今年は飛び抜けたところは持てていませんが、確実に走りきるということと燃費は良いレベルで作れているので、そういうところを武器に、地味ながら着実に上がっていって、最終的に良い位置でゴールしたいと思います。」

ランディ・ド・プニエ
「二日間ウエットで乗ったけど、ドライでは今日一日、3時間のテストだけになりました。決して簡単なことではないけど、でも最終的にはロングランもできたし、時差ボケがある中で良いペースを刻めたので、今年の8耐には自信を持って臨むことができます。もちろんまだマシンは完璧でなく、レースウイークに仕上げていく必要はありますが、現時点での状態としてはかなり良いと思います。優勝経験チームだし、ぼくを温かく迎え入れてくれて、強力なサポートもしてくれて、とても良い雰囲気で走ることができています。我々は強いチームになっていますし、速いペースも刻むことができる。これなら自信を持って表彰台に向けチャレンジしていけると思います。」

水野 涼
「物の条件などから今日は十分に走り込むことはできませんでした。ライダーですからもっと走りたいし、タイムももっと上げていきたいですが、無い物ねだりしても仕方ないですし、その気持ちを今は自分の中で抑え、来週その悔しさをバネに良いパフォーマンスを見せたいと思います。ライディ選手はパッと乗っても速いですし、ロングランしても良いペースを刻んでくれたので、すごく信頼できます。自分をエース的位置付けにチームがしてくれているので、その期待に応えられるよう、さらに頑張っていきたいと思います。ここまでだれも転んでいないのはチーム的にとても良いことだと思いますし、レースウイークも転ばずに最後のゴールまで走り続けます。」