武蔵精密工業は「MuSASHi-RT HARC-PRO」のメインスポンサー企業です。チーム情報・レース開催情報・レース結果などを発信しています。
鈴鹿8耐

RACE REPORT

2017

鈴鹿サーキット(三重県)

  • 開催日07月27日()、 30日()
  • コース全長5.807Km

天候不順になりそうなレースウイーク

7月に都合7日間のテストを行い、チームはついにレースウイークを迎えることとなった。気になるのは天気で、1週間ほど前の天気予報ではレースウイーク中、安定して好天に恵まれそうだったが、ウイークが近付くにつれて悪化方向となっていく。特に西日本から近畿地方にかけてゲリラ豪雨の発生が連日報じられ、そうした懸念を抱きながら今年の8耐ウイーク入りとなった。
予選
07月27日(木)
天候:曇り路面状況:ドライ
  • 高橋 巧
  • 中上 貴晶 05
  • ジャック・ミラー

三人が安定して7秒台をマーク

レースウイーク初日となる木曜は、午後からフリー走行として1時間の走行が2本行われた。早朝まで降り続いた雨の影響で午前中はウエット路面だったが、午後はドライ。しかし路面に落ちた水分が蒸発するため、高い湿度の中で今年の8耐の走行がスタートした。 最初のセッションで#634MuSASHi RT HARC-PRO. Hondaは、2'8.181と2番手のタイムをマーク。順調な滑り出しとなった。途中、ジャックの転倒があったが、ライダー、マシンともに大きな影響はなく、このセッションは2'7.756のタイムでトップとなった。 翌金曜は計時予選が行われる。各ライダーが20分間の中でタイムを出し、三人のアベレージタイムのトップ10チームが、翌日のトップ10トライアル参戦権を得ることができる。この日も朝から小雨がパラつき、8時半からスタート予定だったフリー走行は結果的に20分ディレイで始まったが、鈴鹿特有の雨の降り方で、西コースに雨が集中する難しいコンディションとなってしまった。このため、多くのライダーがピットで状況を見守り、コース上にほとんどマシンはいない。セッション終盤になってコンディションが良くなり、各車走行開始。結果的にこのセッションでは、#634が2'9.731でトップとなった。どんなコンディションでも安定してタイムを出してくる#634の速さがレースウイークの中で徐々に際立ってくる。 最初の計時予選に登場した高橋は、2'7.524で5番手。ジャックは2'8.595で7番手、中上が2'7.504で2番手となった。今年の8耐は、予選・決勝を通じて20本のタイヤ制限がある。決勝は8スティントあるので、ここですべてのスティントを新品タイヤで走ろうとすると、予選では4本しか新品タイヤが使えない。状況を見ながら、この予選は新品と中古タイヤをマネージメントする必要がある。2回目は高橋が2'8.206でトップ、ジャックが2'8.586でトップ、中上も2'7.522でトップと、2回目の計時予選は全員がそれぞれの組でトップとなった。この結果、三人の平均タイムは2'7.538で3番手となり、翌日のトップ10トライアル出場権を得た。さらにこの日はナイトセッションも行われ、決勝へ向けてチームは着実にセットアップを進めていく。 トップ10トライアルには高橋と中上が参加。チームは決勝を見据え、ライバルチームの多くが予選用タイヤを使用するのに対し、レース用タイヤを選択した。その結果、高橋が2'6.674、中上が276.671とほぼ同じタイムを記録。高いレベルでトップ10トライアルを無事に終えた。この結果、#634は5番手から決勝をスタートすることとなった。
決勝
07月30日(日)
天候:曇り路面状況:ドライ
  • 高橋 巧
  • 中上 貴晶 4位
  • ジャック・ミラー

トップ争いを演じながら、度重なるトラブルで4位フィニッシュ

決勝日も朝7時に小雨が降り出し、すぐ止んだものの、8時半からのウォームアップ走行時には雨がパラパラしていることから、西コースでレッドクロスが提示された。気温は26度、路面温度28度と今年の8耐は灼熱下での戦いにはなりそうもない。10時39分から決勝へ向けたサイティングラップ開始時には完全なドライとなった。11時現在、気温28度、路面温度29度と上がらない。 そうした中、11時30分に決勝がスタートされた。2番手で1コーナーに飛び込んだ高橋は積極的に前を追い、オープニングラップをトップで戻ってくる。ラップタイムは2周目に2'8.646、3周目2'8.466と8秒台でラップ。高橋が先頭でレースを引っ張る。10周目、早くもバックマーカーが現れ、さらには西コースで雨が降り出してしまう。13周目の高橋のタイムは2'10.942。濡れた路面に対してもまったく動じることなく、トップでレースを引っ張って行く高橋。途中、周遅れを交わすタイミングで#21中須賀選手が前に出るが、すぐに抜き返し、高橋が再びトップに。しかし雨は強くなり、17周目の高橋のタイムは2'22.019、18周目2'22.019と落ちる。ライバルを前に出して後ろに付いていく方がこのコンディションだとマージンを取れるが、高橋はまったくそうした駆け引きをせず、コンディションを的確に見切りながらハイペースでレースを引っ張って行く。結局、高橋は27周してトップでピットに戻ってくる。 ちょうど高橋がピットに入ったタイミングでセーフティカーがコースに入り、フルコースコーションに。ライバルと同じグループにジャックは入ることができ、再スタートを待つ。31周目にセーフティカーがコースから出てレースは再スタート。ジャックはここで見事なペースアップを図りトップに立つ。ペースは2'9秒から8秒台へ。途中、#21にパスされるが、2位でジャックはこのパートを走行。マシンを中上に渡す。走り出しからトップを走るマシンのペースを上回る中上は、その差を詰め始め、65周目には一度3秒まで広がった差を1秒2まで詰めた。さらにその差を詰めようとプッシュしていた70周目のヘアピンでスリップダウン。ステップを失ってしまい、ピットに戻ってくる。 4位に順位を落とした#634だが、高橋、ジャック、中上の三人、そしてチームも諦めない。三人は続々と現れるバックマーカーを交わしながらタイムを時折2'8秒台へ入れながら、前を追う。ところが午後4時44分にヘッドライトが点いていないため、ルーティンのピットワークだったが、カウルを外す作業のためにタイムをロスしてしまう。マシンを受けとった高橋は再び前を追うために2'8秒台でラップし続ける。さらに中上の3回目のライディング時には、ホイールトラブルによってタイヤの空気が抜け、それでも中上は自分の走行規定周回をクリアし、ピットに戻ってくる。 結局、トラブルに振り回されながらも4位でゴール。表彰台までもう少しだったが、度重なるアクシデントを乗り越え、完走を果たした。

TEAM COMMENT

本田重樹監督
「2年連続リタイヤという結果を受け、今年の8耐は万全な形での雪辱戦にしようと臨んだのですが、決勝では度重なるトラブルに翻弄されました。ライダーの高橋巧は我々の想像を超えるハイペースでラップを重ねてくれて、序盤にトラブルが出るまでは勝利が見える位置にいることができたのですが、残念ながら中上の思わぬ転倒があり、ただそれは軽い転倒でまだ挽回のチャンスはあったのですが、その後にヘッドライトのトラブルやホイールのトラブルと続いてしまいました。綿密な準備をしてきたつもりだったのですが、そういうトラブルが出てしまったのは本当に残念です。ただ、それだけトラブルが出たにもかかわらず、表彰台まであと一歩の4位という結果を出せたことは、我々のチームとしてのポテンシャルの高さを証明できたとも思います。トラブルさえなければ優勝をねらえる位置でレースができるということも分かりましたし、また来年に向けてテストを重ね、全日本とともにタイトル奪還目指して頑張ります。応援、ありがとうございました」
堀尾勇治チーフメカニック
「3連勝した#21に勝つためには、完膚なきまでにやっつけられるくらいのレベルに仕上げなければダメだ、という事実を突きつけられレースだった気がします。ギリギリで勝つことは、もちろんできるかもしれません。でもそれはライダーの力で勝つだけで、マシン、チーム力という面も含めて勝とうとしたら、大幅にライバルを上回るくらいの目標設定でやらなければ勝てない。そう実感しました。もちろん今年も勝つためにテストを重ねて準備してきたわけですが、振り返って見れば、我々の目標設定が低かったからこういう結果になってしまったと思います。高橋巧が#21のライダーに負けていたとは思えないし、ライバルはレース中に6秒台にタイムを入れてくる。恐らく、もう2分6秒、7秒というレベルで走るのは、あのレベルのライダーにとって普通になっているのだと思います。我々はまだ特別なタイムだと感じてしまっているけど、実際は普通。だから、その中で勝とうとしたら、5秒台、あるいは4秒台というレベルまで見据える必要があるのかもしれません」
高橋 巧
「ツイてなかったというか、やることはしっかりやったのですが、細かいところでうまくまとまらず、勝てなかったのは本当に悔しいです。それでもなんとか表彰台には登ろうと、可能な限りプッシュしたのですが、あれだけトラブルが出てしまうと、それも難しいですよね。できることはすべてやったのですが、それでも勝てないという現実は辛いです。気持ちを切り替え、全日本の残り全部勝って、その勢いで来年の8耐にまたチャレンジします」
中上貴晶
「結果については非常に残念です。自分のスティントで転倒してしまうという、最大のミスを犯してしまったことが重ね重ね残念で仕方ありません。ペース的にはとてもよくて、トップを走るマイケル(ファン・デルマーク)との差を詰めているところで、勝負ができるところまできてました。そんな中で自分としても驚くようなあっという間の転倒でした。本当にチーム、メーカーに申し訳ない気持ちでいっぱいです。2度目のスティントではさらに不運なことに、ホイールのトラブルによってリアタイヤがパンクしてしまいました。また機会をもらえれば、ぜひリベンジしたいです」
ジャック・ミラー
「今日は本当に不運でした。レースの序盤の展開はとても良かったと思いますが、途中でヘッドライトのトラブルだったりホイールが壊れたりして、パンクもありました。それでも何とか乗り切ってフィニッシュできました。だから、4位という結果は決して悪くないポジションだと思います。今は肉体的にも精神的にも疲れました。ハードなレースで表彰台を逃すことになりましたが、チームのみんなが一生懸命サポートしてくれたのは、とても素晴らしいことです。テスト、レースウィークととても楽しく、良い経験ができました。次のチャンスがあれば、ぜひ優勝したいですね」
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