待ちに待った2020シーズン開幕戦へ向けた事前テストが、7月28日・29日に宮城県スポーツランドSUGOで開催された。このテストにMuSASHi RT HARC-PRO. Hondaの水野涼、MuSASHi RT HARC-PRO.の名越哲平が参加。精力的に二日間のテストを行った。

 通常であれば7月末という時期のテストは灼熱の中でのものになるはずだが、未だ梅雨は明けず、しかも東北地方に梅雨前線が停滞。その梅雨前戦の活動が活発化し、28日は強烈な雨を降らすようなコンディションになってしまった。洪水警報が出される状況の中、初日の走行が始まった。

 この日のスケジュールは4メーカー合同枠が午前中に2本組まれ、午後にもう1本、というものだった。時間の経過とともに雨は激しさを増していく。水野は7ラップし、4周目に1’41.831で3番手に付ける。名越は12周し、6周目に1’44.226のタイムで7番手となった。

 「バックストレッチでは常に路面とタイヤの間に水膜ができてマシンが暴れ、とてもコントロールできる状態ではない」と水野。続く2本目の走行は、水野、名越ともにキャンセル。5台のほどのマシンがコースインしていたが、最多で3ラップ。どのライダーもコースインしてすぐピットに戻ってくるような状況だった。結局、午後はさらに雨の激しさは増すという天気予報だったことから、以降の走行がすべてキャンセルされた。

 翌日29日は懸念された梅雨前線も通過し、多少雨雲は残るものの、前日ほどの雨脚ではなくなった。テスト2日目はクラスごとにセッションが設定され、水野はJSB1000クラスで、名越はST1000クラスでそれぞれ走行した。

 午前中はウエットコンディション。水野は16ラップし、ラストラップに1’38.751で6番手となった。名越は17ラップし、5周目に1’41.390のタイムをマークして5番手に付けた。

 午後はさらに天気が回復し、ドライ路面で時折小雨がぱらつくコンディションとなった。水野は積極的に周回を重ね、セットアップを進めていく。しかしセッション終盤の仕上げに入ったところで、路面から水が少し湧いてくる場所があり、前周で確認していた場所のコンディションが急変。これに足下をすくわれて転倒してしまい、そこでセッションは終了。それでも16ラップ中、11周目に1’29.031のタイムをマークして10番手となった。ST1000の名越はドライ用のセットアップを行いながらペースアップ。1’31.393で3番手となった。

堀尾勇治チーフメカニック

 JSB100の水野はやっと最後にドライになってそこでなんとか、という時に空回りしちゃった感がありますね。予期せぬアクシデントとなってしまいました。でもやっとシーズンも始まるということで、天気は今ひとつでしたが、レースがやれる喜びは大きいですね。ここまで何度かテストはしてきていますが、いざレースが始まるというと違う空気になるし、みんなもより集中してやらないといけないということも見えてくるので、待ちに待った、というチームの雰囲気になっています。レースを見据えた今回のテストで見つかったことに対し、時間は限られますが来週までに解決の方向を探り、出直してきたいと思います。

 

 

水野涼選手

 今までウエットのテストがなかったので、それが今回できたのは良かったですね。ここまで鈴鹿でずっとテストしてきたわけですが、ドライとウエットでは課題が一緒で、それが分かったのは良かったと感じています。二日目の午前はウエットとなり、そこでさらにいろいろテストできました。午後はドライになってスリックタイヤで試したいことがたくさんあったのですが、ユーズドタイヤから新品に変えたところで転んじゃって、テスト項目をこなせずに終わってしまったので、そこは本当にもったいなかったです。でもやっと鈴鹿以外で乗れたというのは自分としてとても大きな収穫で、鈴鹿で得られなかったことやここで新しく出てきたこともあり、それも大きな収穫です。やっとレースに向けてスタートしたな、という感触があります。とは言え、トップ2台が速くてそれに追い付かないとレースにならないと思うので、時間は1週間しかないけどうまく詰めて戦えるようにしたいですね。

 

名越哲平選手

 ST1000で雨を走ったことなかったので、ダンロップのレインと車体のレインがどうなのか、確認だけは初日にできました。少しではありますが、ウエットの中で走れたのは良かったです。雨量がすごかったので、なにかと比較できるかというとそういうことはないですが、車体とレインタイヤがこんな感じ、というのは掴むことができました。二日目の午前中もレインでしたが、そのコンディションは良い状態で、その中で雨のセットアップをしていきました。新型車両なので良いとこ悪いとこ、絶対出てくるとは思うのですが、良いウエットテストになりました。ペースも徐々に上げて行けましたし、新しいセッティングも見付けられていたので、セットアップが進みました。午後はドライになって、その中で自分のペースはなかなか上げられなかったけど、確実にペースを掴んでいくことができました。ずっとユーズドタイヤで走り、最後にセッティングを変えて新品タイヤを入れたのですが、少し変更に時間がかかってしまい、アタックできずに終わってしまいました。でもテスト自体は良い内容になりました。バイクをより高いレベルに仕上げ、人間の方も100%にしていけば、良いレースが出来ると思います。