7月15日・16日に三重県鈴鹿サーキットで、鈴鹿8耐に向けた4メーカー合同テストが開催された。

 MuSASHi RT HARC-PRO.は前回のプライベートテストから、さらにマシンを耐久用にアップデートをし、耐久レース本番を想定した仕様に仕上げたマシンで2日間のテストに臨んだ。

 今回のテストライダーは名越哲平。

 6月中旬のテストでは、安定性重視のマシンを準備した。そのマシンで名越は2分6秒台までタイムを入れることに成功した。

 その後、7月1日・2日にチームはJSBライダーである水野 涼を擁してプライベートテストを行い、マシンをさらに仕上げることに成功した。今回は、前回のテストで水野が仕上げたマシンを名越が引き継ぐことになった。

 当然、今回のテストはチームと水野がともに狙う全日本JSBクラスでのトップ、8耐での優勝を狙う尖ったマシンであり、それは名越にとって未知の領域のマシン。

 今回のテストは、そのマシンに慣れるところからスタートとなった。

 タイムを出すには、コースのあらゆる場所で高い荷重をタイヤにかける必要がある。いわゆる『タイヤを潰す』という作業になるわけだが、JSBではこれができるかどうかでラップタイム、ひいてはレース結果に繋がる。

 初日は9時30分から10時30分までの1時間、11時30分から12時30分の1時間、14時30分から16時30分までの2時間、計3本の走行が行われた。

 1本目を名越は2’9.583で9番手スタートとなった。2本目が2’8.361で8番手、3本目は2’8.076で6番手となり、順調にタイムアップを図っていった。

 2日目は10時から11時30分までの1時間半、14時から15時30分までの1時間半、計2本の走行が行われた。

 この日の1本目は2’8.249で8番手、2本目は2’7.724で9番手となった。

 この2日間の中でのベストラップは2’7.724。2日間の周回数はトータル114周をこなした。

 

堀尾勇治チーフメカニック

 今回はより8耐に近いスペックの重量バランス、タイヤと、耐久に近い仕様のマシンを持ち込みました。そのマシンは名越にとって初めて乗る仕様で、本当はマシンへの習熟をさせたいところですが、チームとしては新しいパーツも入れていますし、その判断もしてもらわないといけないので、名越にとっては大変な2日間だったと思います。タイム的に見れば、6月のテストで名越が出した2分6秒台には届かなかったわけですが、あの時のマシンはJSBに初めて乗る名越に寄り添った仕様で、乗りやすかったと思います。でも8耐でトップ争いをしようと考えたとき、そのマシンではさらなる伸び代は期待できず、上をねらった仕様が、今回持ち込んだマシンとなります。JSBライダーの誰もが最初に突き当たる高荷重設定のタイヤとそれを活かすためのサスペンション、ブレーキの使い方にやはり名越も初日は直面し、かなり手こずっていましたが、それでも最終的には、そういう物を使い込むスタート地点には立てるレベルに到達できたので良かったと思います。チームとしても、新たに用意した部品の判断もできたので、収穫の多いテストになりました。

名越 哲平

 今回のテストは、水野選手が前回テストしたものをベースに走り込んでいきました。水野選手の好みのセットに初めて乗って、これまでとは違う部分があり、さらにはパーツも新しい物が付いていることもあり、とても難しいテストでした。でもセッションごとに車両に慣れていき、サスペンションなどもチームと話してアジャストしていき、タイヤも昨日の最初に比べると使えるようになってきているし、ブレーキの使い方もだいぶ慣れてきました。今回の2日間のテストを通じ、とてもたくさんのことを学ぶことができました。また水野選手と同じ仕様に乗っているので、アクセルなどの操作系もどれくらい違うのかということが分かったし、そういうことをしっかりイメージして、ライダーとして成長すべきことも学べた二日間でした。JSB仕様については6月のテストで初めて乗って、その乗り始めはすごく良かったのですが、今考えてみればそれは単にタイヤのグリップ頼りだったのかなと思いますし、JSBのトップレベルの人たちはみんなこういう仕様で走っているわけで、前回の車両で出したタイムのその先があるかというと、恐らくそこが限界だと思います。その上のレベルに到達するための車両バランスや、必要なパーツが今回のマシンになってくるわけで、そう考えるとまだまだ使い切れていないですね。自分のこれからの課題という物が明確になった2日間のテストでした。